お昼時、お気に入りのお店でパスタを。 彩り豊かな一皿を楽しみながら、心の中はこれから向かう場所のことでいっぱいでした。
鏡の前に座って、いつものように「今日はどうしますか?」と聞かれた瞬間。 心臓の鼓動が少しだけ速くなって、服の下に忍ばせた淡いピンクのショーツが、そっと私の背中を押してくれているのを感じました。
「あの、本当は……」
そこまで出かかった言葉を、私はまた、飲み込んでしまったのです。 「……今日も、いつもの感じで。伸びた分だけお願いします」
5年間、私を一番綺麗に見せてくれたあの人の指先。 その繊細な動きを鏡越しに見つめながら、やっぱり今日も「変わりたい」と言い出せなかった自分に、少しだけ溜息がこぼれました。 でも、あの人が丁寧に髪を整えてくれる時間は、やっぱり私にとって特別で、何にも代えがたい恋に似た時間。
少しだけ切ない気持ちを抱えたまま、午後はデスクに向かい、LPのデザイン案に没頭しました。
ユーザーの視線をどこへ導くか、どの色を置けば心が動くか。 わずかな余白の広さや、微細なニュアンスの差に悩み、理想の形を追求する時間は、鏡の前で言葉を探していた自分とどこか重なります。
デザインに正解はないけれど、だからこそ、納得のいく「答え」に辿り着くまで悩み続ける。 それは、自分自身の「なりたい姿」を模索している今の私と同じかもしれません。
次は、再来月。 今日、あの人が綺麗に整えてくれたこの髪を、今度こそ私の手で、私の意志で、新しいデザインへと委ねてみたい。
デスクの脇に置いたアイスコーヒーを一口飲んで、少し伸びた背筋をもう一度正します。 淡いピンクのショーツがくれる勇気は、次の予約日まで、大切に持ち越しておこうと思います。
いま、欲しいなぁと思っているピンクのショーツ。かわいい🩷





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